愛犬がシニア期に入ると、カリカリのフードを食べづらそうにすることがあります。
また、いつものフードを食べたがらなかったり、食べ残してしまうこともあるでしょう。
そんなときは、ドッグフードをふやかすことで食が進みやすくなることがあります。
犬の管理栄養士がふやかし方を画像付きで分かりやすく解説しますので、参考にしてください。
ふやかしたドッグフードはシニア犬にとってメリットが大きいですよ。ぜひ試してみてくださいね。
シニア犬のドッグフードをふやかす4つのメリット

シニア犬にドッグフードをふやかして与えるメリットは、水分摂取量が増やせるので消化に良く、食べやすさや食いつきアップも期待できる点です。
ここでは、「水分摂取量を増やすとなぜシニア犬にいいのか?」など、シニア犬ならではのフードをふやかすメリットを詳しく紹介します。
毎食ふやかすのは面倒!というときもあるかもしれませんが、手間をかけるだけのメリットがあるので、ぜひ覚えていてくださいね。
不足しがちな水分を補給できる

犬の体の約60%は水分でできていますが、シニア犬になると加齢による様々な機能の低下から水分が不足してしまいます。
例えば、シニア犬は脳の「渇中枢」の機能が低下しています。渇中枢は「喉が渇いている」という信号を出す大切な部分です。
この機能が低下すると、体内の水分量が少なくなっていても喉の渇きを感じづらく、あまり進んで水を飲もうとしません。
また、シニア犬は腎臓の機能低下やホルモンバランスの乱れも心配です。どちらも体内の水分量をうまく調節できなくなり、喉の渇きの感じづらさに繋がります。
このままシニア犬が積極的に水を飲まないでいると、脱水してしまいますよね。脱水が続けば、命の危険があることは容易に想像できるでしょう。
そのため、ふやかしたドッグフードで自然と飲水量を増やすことは、健康を維持するための重要なサポートと言えます。
食べやすい

ふやかした柔らかいドッグフードは、噛む力や飲み込む力が低下したシニア犬にとって食べやすい食事です。
シニア期は健康維持のためにしっかりと食事をとって適正な体重をキープすることが大切です。食べやすさへの配慮は欠かせません。
ちなみに、ドッグフードのレシピや製法によってふやけ方が異なるので、ふやけた後の食感も異なります。
あくまで傾向ですが、肉類が多いフードよりも炭水化物が多いフードのほうが、早くふやけやすく、ふわふわに仕上がるものが多いと感じます。
また、国産のドッグフードでは、ふやかすとねっとりした仕上がりになる粒も多いです。
ねっとりしていると嚥下力が低下したシニア犬には注意が必要ですが、粘度の調整も飼い主さん自身でしやすいのがふやかしのメリットでしょう。
食欲アップが期待できる

シニア犬は嗅覚の衰えなどの様々な理由から食欲が低下しがちです。ドッグフードをふやかして香りを立たせると、食いつきアップが期待できます。
ドッグフードの食いつきが悪いと思ったときは、まずふやかしを試してみてくださいね。
シニア犬にとっては1食1食が健康を維持するための貴重な栄養になるので、食べないからといって若いときのようにしつけでどうにかする必要はありません。
ドッグフードがふやけたら、放置せずに香りの強い状態で与えてみてください。

消化しやすい

ふやかしたドッグフードは、水分を含んで柔らかくなっています。硬いままのドライフードよりも胃や腸で消化がしやすい状態です。
そのため、シニア犬の胃腸にかかる負担を減らすことができ、消化不良による下痢や嘔吐を防ぎやすくなります。
フードの粒が水分を含んで膨らむぶんかさは増しますが、いつもと同じフードをより体に取り込みやすい状態で与えることができるのです。
シニア犬のためのドッグフードのふやかし方

シニア犬のためのドッグフードのふやかし方として、「基本編」と「電子レンジ編」に分けて紹介します。
【基本編】ドッグフードのふやかし方
実際にふやかしている様子を、画像付きで詳しく紹介します。
①ドッグフードを器に入れる

このとき、もし愛犬の給餌量を測っていない方は必ず愛犬に合う量を算出して与えるようにしてくださいね。
シニア犬の場合、必要量を食べ切れていないとどんどん痩せていってしまうことがあります。
給餌量は以下の記事で自動で計算できるので、ぜひ1度やってみてください。

②30〜40度のぬるま湯を入れる

お湯をたくさん入れ過ぎるとかさが増えてしまうので注意しましょう。少食のシニア犬には食べるのが大変になってしまう可能性もあります。
ちなみに、お湯の量をフードの2.5倍にするとウェットフードと同程度の水分量になりますよ。(フード量が50gならぬるま湯の量は125ml)
また、もしお湯の温度を測るのが難しい場合は、腕の内側に少しお湯を垂らしてみてください。何も感じなければ、人肌程度の温度になっていると言えます。
このとき、急いでいても熱湯や冷たすぎる水でふやかさないようにしましょう。栄養素の破壊や嗜好性の低下につながります。詳しくは、「Q&A」で解説しているのでチェックしてくださいね。
③ラップをして10~20分程度放置する

ラップをしたら、このまま10〜20分程度放っておきます。徐々にフードが水分を吸ってふやけてくるので、愛犬の食べやすい硬さになったら与えましょう。
ふやける時間はフードによって異なります。中には5分程度ですぐにふやけるものもありますが、私がこれまで与えたフードの中には、30分以上かかるものもありました。
なかなかふやけないフードの場合は、小粒タイプを選んだり、あらかじめ砕いて小さくしておくと時間を短縮できます。
長時間の放置は、香りが消えるうえに雑菌の繁殖にもつながるためNGです。
④指やスプーンなどで崩して与える

指やスプーンで崩してあげると、空気が抜けてより消化によくなります。
また、水分を吸ったフードは、通常の何回りも大きくなるので、崩してあげることで食べやすくなる犬もいますよ。
もしこのときフードが冷めてしまっていたら、与えるときに500Wの電子レンジで10秒程度温めるとまた香りが立ちます。
電子レンジでのふやかし方
忙しいときなどは、電子レンジでふやかすことも可能です。
もちろんフードによってはすぐにふやけないこともありますが、基本のふやかし方よりは早く済むでしょう。
①ドッグフードを耐熱容器に入れる

耐熱容器ではない場合、化学物質が溶け出してドッグフードに付着したり、容器の破損の原因になります。
②ドッグフードが隠れるくらいまで水を入れる

電子レンジでふやかす場合は、ぬるま湯ではなく水を使ってOKです。ただし、冷たすぎると温まらないことがあります。
電子レンジで何度も加熱するとドッグフードの栄養素が破壊されるうえに酸化につながるので、冷たすぎずない水にしましょう。
また同じように、お湯を使うと加熱されたときに栄養素を壊す温度になってしまう可能性があるため注意してください。
③ラップをしてから電子レンジで温める(500Wで20秒程度)
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ドッグフードを電子レンジに入れる場合は、「1度だけ・短時間だけ」というのが鉄則です。
④ラップをしたまま5分ほど放っておく

ぬるま湯でふやかしたときのように徐々にふやけてきます。
⑤必要であれば指やスプーンなどで潰して完成

電子レンジでドッグフードをふやかすと、一見あまりふやけていないように見えることがあります。
ふやけ具合にムラが出ることも多いので、そのときは指やスプーンで潰して、シニア犬が食べやすいように崩してあげましょう。
シニア犬のドッグフードをふやかすときの注意点

ここでは、シニア犬にドッグフードをふやかすときの注意点を詳しく解説します。
正しくふやかさないとせっかくのドッグフードの栄養が台無しになってしまうので、しっかり覚えておきましょう。
冷たすぎる水でのふやかすのはNG
ドッグフードを水でふやかしても問題はありませんが、冷たすぎる水を使うとシニア犬の体を冷やしてしまいます。
シニア犬は加齢の影響でただでさえ体温調節が苦手です。お腹が冷えて下痢を起こしやすくなるため、冷たい水でふやかさないようにしましょう。
また、ぬるま湯を使うよりもドッグフードがふやけるまでに時間がかかるうえに香りも立ちづらくなってしまうので、あまりおすすめできません。
熱湯でのふやかしはNG
ドッグフードを熱湯でふやかすと、熱に弱いビタミンB群などが破壊されてしまう可能性があります。
また、オメガ3脂肪酸などの貴重な栄養素も、光や熱が加われば酸化してしまいます。
先述した通り、シニア犬には1食ごとの栄養がとても大切なので、ふやかすことで栄養素を壊してしまっては元も子もありません。
ドッグフードは栄養素を壊さないよう工夫して作られているので、ここで台無しにしないようにしましょう。
ふやかした時の余った水分は捨てずに与える
ドッグフードをふやかした際に器に残った水分は、栄養素が溶け出しているので捨てずにそのまま与えてください。
シニア犬に大切な抗酸化成分や、水溶性食物繊維なども溶け出している可能性があります。
また、水分にはドッグフードの旨味成分なども溶けこんでいるので、そのままペロペロ舐めてくれる犬も多いですよ。
もし余った水分を飲みきれないようであれば、次回は水の量やふやかす時間を調整してみてください。
ふやかしたドッグフードが余っても、保存しない
愛犬がふやかしたドッグフードを食べきれなかったとしても、保存せずに破棄しましょう。
ふやかしたドッグフードは水分を含んでいるため傷むのが早いです。雑菌も繁殖しやすい状態なので、たくさん余ったとしても次回分へ回すことはできません。
それに、ふやかしたばかりの美味しい状態のドッグフードを食べないのであれば、時間が経ったものを食べる可能性はとても低いと言えます。
保存しておいても、結局捨てることになるでしょう。

シニア犬にはウェットタイプのドッグフードもおすすめ

シニア犬の食欲が落ちてきたり、食べづらそうな様子が見られたときは、総合栄養食のウェットフードを与えてみるのもおすすめです。
ウェットフードは水分を多く含むため、ふやかしたドッグフードと同様のメリットが得られます。
また、ウェットフードは肉類含有量が高いものが多く、嗜好性も高いのが特徴です。
ただ、100gあたりのカロリーがドライフードよりも低く、たくさん食べないと必要なエネルギーを十分得られない傾向があるので注意しましょう。
必要量を食べ切ることが難しい愛犬には、ふやかしたドライフードにウェットフードをトッピングするという手もありますよ。
愛犬がごはんから栄養をしっかり摂れるように、ウェットフードも活用してみてください。
シニア犬のドッグフードをふやかすときのQ&A

ここでは、ドッグフードのふやかしについてのよくある質問にお答えしていきます。
まとめ

ふやかしたドッグフードは、シニア犬にとって食べやすく消化に良い食事です。
食いつきアップにもつながるので、愛犬の食欲が落ちてきたと感じたときには、ぜひ試してみてください。
基本のふやかし方は以下の通りです。
①ドッグフードを器に入れる
②30~40度のぬるま湯入れる
③ラップをして10~20分程度放置する
④食べやすく指やスプーンで崩して与える
熱湯や冷たすぎる水は使わずにふやかして、美味しく栄養のある状態で食べさせてあげてくださいね。
ふやかすと全体のかさが増してしまうので、もし余ってしまったら破棄するようにしてください。
必要に応じてウェットフードなども活用していくと、シニア犬が喜んで食べてくれるごはんになるはずですよ。
しっかり食べて、シニア期を穏やかに過ごしてもらいましょう!
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